シンガポールに来るまでは、ドリアンという果物は全く身近ではなかったけど、ここでは至る場所(バスステーションの路面店・スーパ−・市場など)で売られているので、身近に感じざるを得ない。というよりは否応なしにその存在を知らしめられる・・・そう、あの匂いで。ドリアンの匂いを良いと感じるか悪いと感じるかは個人差があると思うけど、私にはあれが果物の匂いとは、教えられなければ思わないだろうと感じた。しかしながら、ここでのドリアン人気は思ったより高く、会う人会う人が口を揃えて言うのは、“ドリアンは果物の王様!” 私はいつもそれを聞くとき、かなり強ばった顔で笑いながら頷くしかなかった。
が、先日いつも通りのバス停から自宅への道を歩いていると、あの匂いが漂っているではないか!その道沿いに数本のドリアンの木があるのは知っていた。だっていつも“ドリアン・ハンター”(RIE命名)が落ちて来るドリアンを取る為に下で待っているようすを見かけている。あれを売るのか自分で楽しむのかは謎だけど。
話を戻して。いつも木になっているドリアンは匂わないのに、今日はやけに匂うな〜、と思いながらふと見ると、なんとドリアンが転がっているではないか!きっとドリアン・ハンターが見逃したんだ。一瞬戸惑ったけど、“恐いもの見たさ”気分で持ち帰り、あーだこーだと言いながらマークと二人で切ってみた。
あれ、なんか・・・思ってたより臭くない・・・ クンクン匂いを嗅ぎ、分析し出した。温泉卵と熟成年月の長いチーズ(aged swiss?)を少し発酵させたようなpungentなかおり、とでも言いましょうか。木から落ちたばっかりで新鮮だったのか?とにかく、自分でも信じられないが、気づいたらスプーンを手にしていた。試食する気満々! 気になる味は、やっぱり滑らかなチーズと卵を混ぜ合わせたような、且つそれが発酵しているが故にウッとするほど濃厚、という感じでしょうか。
味見しただけで、残りは凍らせた。あれをどうしようかと思っているが、クリーミーだからきっとパウンドケーキなんかに混ぜても面白いのではないかと思う。作ってみて成功したらレシピ載せます:D
ということで、ドリアン初体験は以外にも私たちのドリアンに対する固定観念を覆すものとなったのでした。
え、ドリアンは果物の王様かって? そう言えるようになるまでは今暫くかかりそうです。
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